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開示請求Navi2026年5月15日

マッチングアプリ(Tinder・Pairs・Omiai・with)での誹謗中傷・写真晒し・脅迫への開示請求と削除依頼の手順

「マッチングアプリで知り合った相手にブロックされた後、自分の顔写真と本名がSNSで晒された」「Tinderでやり取りしていた相手から、DMで執拗な脅迫メッセージが届く」「Pairsのプロフィールに掲載した写真を無断転載されて中傷記事に使われた」──マッチングアプリは出会いの場として広がる一方、実名・顔写真・連絡先といったセンシティブな個人情報が交錯する場でもあり、トラブルが起きると被害が深刻化しやすい特性があります。本コラムでは、マッチングアプリでの誹謗中傷・写真晒し・脅迫被害への削除依頼と発信者情報開示請求の手順を、本人確認制度の特殊性を踏まえて整理します。

マッチングアプリでの被害の典型パターン

マッチングアプリでの被害は、他のSNSとは異なる実名・顔写真ベースの攻撃が中心です。

  • ブロック後のSNS(X・Instagram)への顔写真晒し
  • アプリ内DMでの脅迫・性的嫌がらせ
  • マッチング相手による勤務先・住所への押しかけ
  • 本人確認用に提出した身分証情報の悪用
  • アプリのプロフィール文・写真の無断転載
  • 婚活詐欺被害者」と虚偽の被害告発
  • 複数アプリへの「危険人物」としての風評流布
  • 元交際相手による報復としてのプロフィール作成

特に厄介なのが、アプリ内では削除しても、加害者がスクリーンショットを取って外部SNSで拡散するケースです。

主要マッチングアプリの運営会社

各アプリの運営会社を把握することが、削除依頼・開示請求の出発点になります。

  • Pairs(ペアーズ):株式会社エウレカ(国内)
  • Tinder(ティンダー):Match Group(米国)
  • Omiai(オミアイ):株式会社ネットマーケティング(国内)
  • with(ウィズ):株式会社with(国内)
  • タップル誕生:株式会社タップル(国内・サイバーエージェント系)
  • マリッシュ:株式会社マリッシュ(国内)
  • Bumble(バンブル):Bumble Inc.(米国)
  • ペアフル:株式会社ペアフル(国内)

国内運営アプリは日本の法手続きで対応可能ですが、Tinder・Bumble等の海外アプリは国際送達が必要になります。

マッチングアプリ特有の問題:本人確認制度

マッチングアプリは身分証による本人確認を実施している点が、他のSNSと大きく異なります。

  • 運転免許証・パスポート・健康保険証等の提出
  • AI顔認証との照合
  • 一部アプリはマイナンバーカードとの連携も
  • 携帯電話番号認証

この厳格な本人確認制度が、開示請求時の特定精度を極めて高くする最大の特徴です。一般のSNSと違い、ニックネームの裏に身元の確かな個人がいることが運営会社のデータベースで確認できます。

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アプリ内通報の手順

被害発見後の最初のステップは、アプリ内の通報機能を使うことです。

通報できるパターン

  • 不適切なメッセージ・写真
  • 詐欺・営業目的の利用
  • 18歳未満による利用
  • 既婚者の利用
  • なりすまし・写真の無断使用
  • 暴力的・威圧的なメッセージ

通報時のポイント

  • 該当のメッセージのスクリーンショットを添付
  • 時系列で被害状況を説明
  • 受けた実害(精神的・経済的)を具体的に記載
  • 複数の違反がある場合はすべて列挙

通報後、24〜72時間以内にアプリ運営から対応の連絡が来ることが多いです。

運営会社への削除依頼

アプリ内通報で対応されない場合、運営会社への直接の削除依頼に移行します。

削除依頼の進め方

1

アプリ運営のお問い合わせフォームから法的根拠を明示して削除依頼

2

弁護士名義の内容証明郵便を本社宛に送付

3

反応がない場合は仮処分・開示命令へ移行

削除依頼が通りやすい主張

  • 肖像権侵害(無断で写真使用)
  • 名誉毀損(事実無根の主張による信用毀損)
  • プライバシー侵害(職場・住所の暴露)
  • 本人確認情報の悪用
  • 18歳未満との接触

国内運営の場合、1〜2週間以内に対応されることが多い印象です。

マッチングアプリでの発信者情報開示請求

加害者を特定したい場合、発信者情報開示請求を進めます。

開示請求の流れ

1

国内アプリの場合、運営会社を相手方として裁判所に開示命令申立て

2

2022年改正の新制度(発信者情報開示命令)が標準

3

プラットフォームからアクセスプロバイダ情報を取得

4

アクセスプロバイダへの2段階開示

5

本人確認情報を含む形で発信者特定

開示請求できる情報

  • アカウント登録時の本人確認書類の内容
  • 氏名・生年月日
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 投稿・接続時のIPアドレス

本人確認書類との照合:特定精度の高さ

マッチングアプリ案件の最大の特徴が、本人確認書類との照合により発信者特定の精度が極めて高いことです。

  • 開示命令で身分証データまで開示される
  • 運転免許証なら生年月日・本籍・氏名まで取得可能
  • 携帯電話番号もほぼ確実に本人のもの
  • 一般SNSのような「捨てアカウント」が原理的に存在しない
  • 開示後の任意交渉・損害賠償請求もスムーズ

このため、マッチングアプリでの被害は他のSNSより損害賠償の実効性が高いと言われています。

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写真の無断転載への対応

マッチングアプリ案件では、顔写真の無断転載が大きな問題になります。

写真悪用の典型パターン

  • 別のマッチングアプリでのなりすまし利用
  • 詐欺サイトへの顔写真転用
  • SNSでの「危険人物リスト」投稿
  • まとめサイトでの「マッチングアプリ晒し」記事
  • アダルトサイトへの悪意ある転載

対応策

  • 肖像権侵害として法的措置
  • 逆画像検索(Google・TinEye)で拡散先を網羅的に発見
  • Web魚拓・archive.orgによる証拠保全
  • 主要転載先への一斉削除依頼

DMでの脅迫・性的嫌がらせへの刑事対応

DM被害は民事だけでなく刑事告訴も視野に入れます。

適用される可能性のある罪名

  • 脅迫罪(刑法222条)
  • 強要罪(刑法223条)
  • 侮辱罪(刑法231条)
  • ストーカー規制法違反(執拗な接触)
  • わいせつ電磁的記録頒布罪(性的画像送付)
  • 児童ポルノ禁止法(18歳未満の場合)

警察への被害届はサイバー犯罪対策課への相談が標準ルートです。

SNS晒し(マッチングアプリ→X・Instagram)への対応

マッチングアプリでブロックされた腹いせに、外部SNSで顔写真や名前を晒すケースが急増しています。

  • マッチングアプリとSNS両方への削除依頼
  • 開示請求は両プラットフォームで並行
  • マッチングアプリで危険人物だった」等の虚偽の事実摘示は名誉毀損
  • 同一加害者による複数プラットフォーム横断攻撃として一括戦略

慰謝料・損害賠償の相場

マッチングアプリ案件の慰謝料相場は、被害の性質によって幅があります。

  • DM脅迫・嫌がらせ:50〜150万円
  • 顔写真の無断転載:100〜300万円
  • ブロック後のSNS晒し:80〜200万円
  • 婚活詐欺被害者と虚偽告発:100〜300万円
  • 性的画像の流出:200〜500万円(リベンジポルノ法併用)

本人確認制度のおかげで回収可能性も高いのがメリットです。

予防策:マッチングアプリ利用時の自衛

被害を未然に防ぐためのポイントを整理します。

  • 顔写真はマッチングアプリ専用に撮影、SNS等と共用しない
  • 本名・勤務先・最寄り駅は親密度が上がってから開示
  • 電話番号・LINE IDの交換は慎重に
  • マッチング相手とのやり取りはスクリーンショットで保存
  • 会う前のビデオ通話で本人確認
  • 不審な相手は即ブロック+通報
  • デート前に第三者へ場所・時間を共有

万一に備え、やり取りの全履歴をエクスポートしておくことも重要です。

まとめ:本人確認制度を最大限活用した戦略を

マッチングアプリでの誹謗中傷・写真晒し・脅迫被害は、本人確認制度のおかげで開示請求の特定精度が極めて高い点が最大の特徴です。一般SNSと違い、捨てアカウント・なりすましの可能性が低く、身元の確実な相手への損害賠償請求が現実的に可能です。アプリ内通報→運営会社への削除依頼→発信者情報開示命令という3段階で対応を進めつつ、外部SNSへの晒し被害も並行対応することで、被害の拡散を抑え込めます。被害を発見したら、マッチングアプリ案件と本人確認制度の運用に詳しい弁護士に早期相談することが、被害最小化と確実な救済への近道です。

この記事の著者

開示請求Navi 編集部

発信者情報開示請求・ネット誹謗中傷対策に関する情報を、弁護士・司法書士・IT調査会社などの専門家と連携して発信しています。正確で実践的な情報をお届けすることを使命としています。

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