会社・職場の悪口をSNSに書かれた場合の法的対処法と開示請求手順
「Xに元社員らしき人から誹謗中傷の投稿がされている」「Googleマップの口コミに明らかに虚偽の書き込みをされた」「同業者から嫌がらせ目的の書き込みが続いている」
会社・法人が被害に遭うSNS誹謗中傷は、個人のケースと少し対応の仕組みが異なります。本記事では、会社・職場への誹謗中傷に対する法的対処法と開示請求の手順を解説します。
会社への誹謗中傷に適用される法律
法人(会社)には精神的苦痛という概念がないため、個人への「慰謝料請求」とは異なる法的根拠が使われます。
①信用毀損罪(刑法233条前段)
「虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の信用を毀損した」場合に成立。
- 刑罰:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
- 虚偽の情報であることが要件(真実の批判は含まない)
例:「あの会社は食品偽装している」「詐欺会社だ」など事実無根の内容
②業務妨害罪(刑法234条など)
「偽計または威力を用いて人の業務を妨害した」場合に成立。
- 刑罰:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
- 業務への具体的な妨害が要件
例:「あの店に行くな」「まずい・汚い」と組織的に低評価口コミを投稿するなど
③名誉毀損罪(刑法230条)
法人も名誉毀損の被害者になり得ます。
- 具体的事実の摘示(虚偽・真実を問わない)
- 法人の社会的評価を低下させる内容
④民事上の不法行為(損害賠償請求)
刑事とは別に、民事訴訟で損害賠償を請求できます。法人の場合は:
- 信用・評判の毀損
- 売上・収益の減少
- 取引先・顧客の喪失
- 採用活動への影響
など、具体的な経済的損害を請求できます。
誰が投稿しているか:発信者の類型別対応
① 元従業員からの投稿
退職後の「口コミ爆弾」や「退職エントリー」が問題になるケースです。
- 事実の範囲内の批評は違法にならないこともある
- 虚偽事実の投稿・過度な誹謗中傷は名誉毀損・信用毀損
- 競業避止義務や守秘義務違反が絡む場合も
② 在職中の従業員からの投稿
匿名で会社を誹謗中傷している場合でも、社内のデータ・個人情報を漏洩している可能性があれば別問題に。
- 発信者情報開示請求で身元特定後、懲戒処分・損害賠償を検討
- 業務上知り得た秘密の公開は守秘義務違反にもなりえる
③ 競合他社からの組織的な嫌がらせ
同業者が意図的にネガティブ口コミ・誹謗中傷を組織的に投稿している場合は、不正競争防止法違反の可能性もあります。
④ 不満を持つ顧客からの投稿
一番多いパターン。事実に基づく批評は対応が難しいですが、明らかな虚偽事実や過度な侮辱表現は法的対処が可能です。
発信者情報開示請求の流れ(法人版)
Step 1:証拠保全
- 問題の投稿のスクリーンショット(URL・タイムスタンプ入り)
- 投稿者のアカウント情報
- 売上・予約数の変化データ(損害を示すため)
Step 2:弁護士への相談
インターネット法務・企業法務に強い弁護士に依頼します。
Step 3:プラットフォームへの開示命令申立
裁判所(東京地方裁判所等)に対して発信者情報開示命令を申立て、IPアドレスとタイムスタンプの開示を求めます。
Step 4:接続プロバイダへの開示命令申立
IPアドレスから契約者(氏名・住所)を取得します。
Step 5:損害賠償請求・刑事告訴
特定した相手に対して:
- 損害賠償請求(民事訴訟または示談)
- 刑事告訴(信用毀損罪・業務妨害罪・名誉毀損罪)
法人として気をつけること
削除申請と並行して進める
開示請求と削除申請は同時に進めることができます。問題の投稿が存在する間は被害が続くため、早急に削除申請も出しましょう。
感情的な反論はNG
Googleビジネスプロフィールやコメント欄での感情的な反論は逆効果になることがあります。法的手続きと並行して、冷静で事実に基づいたオーナー返信を心がけましょう。
証拠は社外(クラウド・弁護士事務所)で保管
社内PCのみへの保存は不十分。クラウドや弁護士への提供でバックアップを確保します。
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まとめ
会社・法人への誹謗中傷への対応は:
今すぐ証拠保全
削除申請(プラットフォームへの報告)
弁護士に相談して発信者開示請求・損害賠償を検討
信用毀損罪・業務妨害罪での刑事告訴も視野に
特に売上への実害が出ている場合は、早期の法的対応が回収額の最大化につながります。
まずは無料診断で現状を確認してみましょう。
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この記事の著者
開示請求Navi 編集部
発信者情報開示請求・ネット誹謗中傷対策に関する情報を、弁護士・司法書士・IT調査会社などの専門家と連携して発信しています。正確で実践的な情報をお届けすることを使命としています。